Girls in Grindhouse

天国において奴隷たるより

Fate/Grand Order 第2部 第1章 感想&キャラクター理解の為の叩き台と主題について

勿論ネタバレしかない

第2部第1章「Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア 獣国の皇女」をクリアせざる者本稿を読むべからず

はじめに

※本稿はカドアナとサリアマ/アマサリの二次創作が増えて欲しい以外の感情がなくなってしまったので本稿をより多くの人に読んでもらい、より深く理解して貰うために自分の持っている知識と頭脳をフル回転させ、とりあえず今章が終わった直後の今、鮮度を重視しこれからの界隈の発展のための叩き台にすべく記されたものである。ため整った文体は期待しないで頂きたい。なんならふせったーの追記に書いていたものを今からコピペで貼り付けるので。より多くの人に見てもらうためにはふせったーよりブログという体の方が良いと思ったので取り急ぎ本稿に取り掛かった。何にせよ、本稿によってあなたのカドック、サリエリへの理解に新たな知見を齎す事が出来ればそれ以上に嬉しい事はない。あとFateそこまで詳しくないので警察の方はお手柔らかに☆

 

STEP1 伏せ字のツイートをつくりましょう(楽しく使ってね)の部分

永久凍土帝国終わった感想。とにかくカドアナちゃんがしんどすぎてしんどい。
それは置いといてテーマとしては[持つ者]と[持たざる者]が根底にあったと思う。あと[妬み]なんかの感情。カドックと[サリエリ]の共通点。以下追記に記す。

 

以下本文

まずサリエリ。出てきた瞬間正体バレバレでテンションブチ上がってしまった。
とりあえず彼についての理解を深めたいなら映画「アマデウス」を見るしかない。今回のサリエリは史実のサリエリよりも「アマデウス」のサリエリがベースになっている。

 

アマデウス(字幕版)

アマデウス(字幕版)

 

 

史実のサリエリは良い人だったらしいんだが、Fateは史実よりも風評や伝聞が英霊化する(みたいな設定だったよね?)ために今回のようなキャラクターになってしまった。
で、その「アマデウス」で描かれているサリエリはというと究極の「持たざる者」。凡人。自分は映画畑の人間なんだがこの「持たざる者」というのはよくテーマに上がって最近だと「ちはやふる」なんかでも評論家宇多丸氏がそのワードを挙げていた。ので割と知ったジャンルの話なので筆が進む進む

www.tbsradio.jp


話を戻す。勿論その対極に存在するのがアマデウスな訳で、その狭間でサリエリは苦悩する…というのが「アマデウス」のあらすじなんだが、何故よく知られた名前のモーツァルトではなくアマデウスとして召喚されたのかって触れられてたっけ?今回の為だったとすると凄いな。

 

…はぁ。次。カドックですよ。しんどい、無理。辛い。話さないとダメ?いや話すために打鍵してるんだけど。これを読んだ神二次作家がより理解を深めてくれて激エモなカドアナちゃんやアマサリ?サリアマ?を書いてくれる事に期待してるがためだけに今打鍵してると言っても過言ではない。

さて何から話そうか、とりあえず劇中のカドアナちゃんと激エモ描写の数々は見れば分かる事なので、その行間を補完するような事を書いていこうと思う。
とりあえずカドックくんもサリエリと同じ「持たざる者」だったなぁと。それも劇中の描写を見れば分かる。自分で自分の実力不足をよく理解している、とも言っていたし、またサリエリアマデウスの感情と同等のものがカドック→ぐだにあるし。全く同じ構図なので完全に狙ってやっているなあと。

今章、今までの章の中で一番好き(それまでは新宿だったよ!いやだってもう世界中で何度も描かれ手垢に塗れまくったホームズと新茶っていう二人の話をやるのズルいでしょ、好きに決まってるじゃん、で、それが好きってなると今回のサリエリも当然大好きな訳でございまして。アマデウスサリエリを描いた作品で下手すると今章は「アマデウス」よりも好きかもしれない)なんだが、話に一切ブレが感じられない、徹頭徹尾テーマに沿って手堅く忠実に、そして括弧内で先述したホームズと新茶のような既存人物の関係性だけに留まらず、そこにカドックとぐだも重ねてくるというこの手腕の見事たるや、感服…

これだけだとカドック考察薄くない?という感じだがまあまだ以下に別項が控えているので安心して欲しい。

 

さて、ここでガラッと話をひっくり返そう。

「持たざる者」とずっと言ってきておいてなんだが、なんと、実はそうじゃないんだな、これが。そして、本当の持たざる者は別に居る。

 

順を追って話す。まずサリエリ

これは本作というかその準拠になった「アマデウス」の話になるんだが、作中にアマデウスが父を追悼しオペラを作るんだけど市井の人々たちからは不評を買い、しかしサリエリだけがその良さを理解し打ちのめされる、というシーケンスが出てくる。

サリエリ、「持ってる」んだよ。じゃないと天才の天才たる所以が分かるはずがないんだよ。理解出来るだけのベースは「持っていた」訳だ。

そんな彼は「アマデウス」の中では…さすがに結末を話すのはやめておこう。是非ご覧になって頂きたい。まあ良い結果を迎えられないのだが、今作はその点も昇華させてくれた。ありがとう。全サリエリファンが泣いた。

サリエリアマデウスへの有り余る程の理解を「持っていた」し憎しみ、嫉妬、etc…の特大感情も「持っていた」からこそアマデウス・オルタなんてアマデウスの分身のような存在になることが出来た。

そしてその「持っていた」ものを駆使して今章ではサリエリは主役級の活躍を見せてくれる。泣いてしまう。そして何よりアマデウスの遺言に従った「鎮魂歌」。

この鎮魂歌、「アマデウス」と今章では対を成すと言っても過言ではないくらい逆転している。サリエリアマデウスの為に、怒りでも憎しみでもない感情で奏でる鎮魂歌。そこでサリエリが何を思っていたか…はこれを読んでくれたキミが筆を取って漫画/小説にするしかない!書いたらFF外からでもなんでもいいから報告してくれ!!!飢え!!!!なう!!!!

 

次にカドック。

 

二人とも死ぬと思ってたの。またアナへの攻撃をカドックくんが庇って、先に死んじゃってこういうツイート群みたいな事をやられて世界が消えゆく中でアナがカドックの亡骸を抱きしめるんだろうなあああ泣いちゃうなぁオンオオって思ってたら、もっと辛いんやが。

 

「持たざる者」のカドックが、一番頼りにしていたアナスタシアを失ってしまった。

目が覚めた彼はきっと「もう何もかもを失ってしまった。何も持っていない」と思うんだろうな。

けれど、違うんだよ。ここでカドアナの相互感情を整理すると共に、違うと言った理由を炙り出す

 

・カドック→アナ 彼女のために世界を救う。絶対に彼女に軽口は叩かないし彼女の前では尻に敷かれている(というと微妙な表現な気もするが適切な言葉が見つからない、強気に出ない?とかでいいのかな)が、彼女を威嚇するカイニスには言い返すし仇なすぐだにも強く出る。それとどうして「それでもキャスター」を召喚しようと思ったのか。自分が魔術の腕に自信がないためか?そして召喚した後、どのような交流を得たのか

・アナ→カドック 人間らしい人。愚か。軽口も叩く。けれど愛おしい。

恐らくカドックという人間の底まで推し量っている。

それでも彼の生存を優先させたのはやはりカドックの中にアナは何かを見つけたから。そのカドックが「持っている」けれど自覚のない何かを見つけるまでがこれからのカドックの役割。

 

…改めてこうやって書き出すとカドック、本当に主人公だな。無理もない、世界を救う側だったんだから。俺はプレイヤーとしてカドックの、アナの世界を破壊してしまった。今気づいたが、本稿を打鍵している理由のうちには無意識の内の贖罪もあるのかもしれない。

そしてまあ、月並みな言葉だが、カドックの中には消えたアナが宿っている。そういう意味でもカドックは「持たざる者」ではないのだ。一生アナを抱えて生きていくんだ。あぁ性癖

 

 

と、言うわけで、サリエリは「持たざる者」からの昇華を果たし、カドックも「持たざる者」ではない根拠は揃ったが、後は彼自身の問題となった。

 

では先述した本当の持たざる者とは誰か?

答えは「ヤガ達」だ。

ラストを見てようやくピンと来た。皇帝を失い、途方に暮れる叛逆群のヤガ。ヤガの子供は「ピアノって何?痛くない?満腹になる?」と言う。何も知らない、何も分からない。

彼らこそがこの世界の真の犠牲者、「持たざる者」だったのだ。

サリエリの鎮魂歌は、アマデウスの為であり、亡くなっていったパツシィ達の為でもあり、何より、この「何も持っていなかった」というよりはサリエリの言う通り『無かったことになる(もとにもどる)』、元々存在しなかったはずの世界に捧げた鎮魂歌。罪を「持たざる者」達への、鎮魂歌だったのだ。

争いばかりだった世界に新しく生まれる旋律。そして彼らはその音色に、きらきら星に感嘆の吐息を漏らす。「持たざる者」達は最後に安息を得たのだ。

 

これが、筆者の思う本章の本当の主題である。

 

あとがき

永久凍土終わったのが4時17分。今は6時52分。という訳でやっつけ仕事だったので見苦しい点は多々あったかもしれないが、ここまで読んで頂けたのなら何よりも嬉しい事はない、と、言いたい所だが、ちゃうねん、ワシの思うサリエリとカドアナはこうやでって提示したわけ。これを叩き台にして発展するもよし、これに異を唱えるもよし、とにかく

みんなの書いたサリエリとカドアナが見たい!!!!!!

 

P.S 人間と人間の関係性ムシャムシャくんなのでNLBLなんでも美味しいのスタンスなのだが一応本職(?)は百合厨らしく、マイルームで会話する武蔵とマシュが気になってしょうがない。自分はもうすぐ消えると自覚のある武蔵は一体マシュに何を託したのか。同じぐだが好きって百合なんだよな。むさマシュ?も待ってます